それでは、実際に独立基礎を施工していきましょう。
僕のセルフビルドの家の独立基礎は石場建てと呼ばれる置き石基礎です。小屋作りなどで良く選ばれる束石による独立基礎と施工方法は同じなのでこの記事を参考にしてください。
遣り方、水盛り、水糸の張り方、石探しの方法は以下の記事を参考にしてください。
独立基礎用の穴を掘る

遣り方で、各独立基礎の中心で水糸が交差しているはずです。まず、その交点を地面に写します。水糸に重りを取り付けた「下げ振り」もしくは「振り下げ」を使い、交点から垂直に地面に降りた点にスプレーで印を付けておきます。
ここはアバウトに大体の点でもいいのですが、垂直を出したい時、下げ振りを使う癖を付けておいた方がいいでしょう。以外に、あなたの思う垂直は全然垂直じゃありません。
地面に書いた印を中心として、独立基礎に使う石、もしくは束石の二倍くらいの大きさの円を書きます。
その円の大きさの穴を掘ります。深さは水糸から測って、石もしくは束石の高さ+15cmくらいにしておきます。地面に石、もしくは束石の3割くらいが埋まる様になるといいでしょう。もし、束石が地面に埋まらないなどの問題が発覚したら、水糸(基礎の高さ)を全体に下げるか、砕石を足して地面を高くするかしておきましょう。
穴を掘る時、水糸が邪魔になるので外しておきましょう。
穴の底を整える
開けた穴の底に砕石を入れ、凧などで叩いて締め固めます。深さは10cmくらいで十分です。独立基礎の良いところは、穴を掘る量が少ないことと、叩き固める面積が少ないことです。つまりこの作業の為にバックホーや大掛かりなランマーを借りる必要がないのです。
束石、もしくは石を据える
基礎となる石、もしくは束石を添えていきます。と言っても、ただ置くだけでは今ひとつ安定しません。その為、コンクリートを流し込みそこに基礎を乗せる事で、安定するだけでなく、高さの微調整も簡単になります。
まずコンクリートを練ります。一気に作るのではなく、1つの穴ずつ作りましょう。特に初めての場合、焦って施行すると失敗の元です。コンクリートのDIY的作り方はこちらの記事を参考にしてください!
10cmくらいの深さのコンクリートを穴に流し込み、水糸を張り直します。
コンクリートが少し硬くなってきたら石、もしくは束石を乗せます。きちんと計算通りの施行が出来ていれば、5cmくらい沈んで水糸の高さになるはずです。この時、基礎の石、もしくは束石が水糸に触れるか触れないかのギリギリを狙いましょう。触れてしまうと水糸が狂います。気をつけましょう。
実はこの「コンクリートが少し硬くなってきたら」と言うのがちょっと難しいです。特に石を基礎にする場合、石の重量はかなりのものです。それを柔らかいコンクリートに乗せると簡単に底まで沈んでしまいます。だからと言って待ちすぎて硬いとどんなに押しても沈まなくなります。しかも、石の重さも形も一個一個違うのでまた厄介です。
これは何回か失敗して感覚を掴みましょう。参考までに、僕の場合、外気温25度くらい、快晴で5分10分くらい待って丁度いいくらいでした。
束石の場合、ここで上面の水平も整えておきましょう。水平器で確認しながら、ゴムハンマーなどで微調整します。
天然の石の場合、ある程度水平が出ていそうであれば大丈夫です。水糸が基準としてあるのでなんとなく水平を出すのは簡単です。
(天然の石を基礎に使う場合)グラインダーで表面を平らにする
これは、天然の石を使った石場建ての場合のみです。
石の表面は完全に平らではないと思います。このままでは柱をその上に乗せても安定しません。そのためある程度平らにしておいたほうがいいです。ここで完璧な平面である必要はなく、柱がうまく乗る程度で十分です。
基礎のためにカターーイ石を選んでいるはずなので、この作業は結構大変です。電動器具を使いましょう。
使うのは、ディスクグラインダーとダイヤモンドカップホイールと呼ばれるディスクです。かなり体に悪そうな粉が舞うので、マスクはしておきましょう。あとは、水準器を使いながら水平で平らな面を作っていきます。コツは特にありません。地道に削りましょう。
基礎の高さを測る
あとは、コンクリートが固まり次第(1週間後くらい)基礎の周りを埋め戻せば完成です。一番上の写真は埋め戻す前なのでコンクリートが丸見えです。
これで、基礎は完成しました。ただ、独立基礎の場合、高さに微妙な高低差が出来やすいです。ちょっと石が沈みすぎた場所や、削った事により高さが低くなった石などあると思います。
そのため、水糸から基礎までの高さの差を図り、ノートに記入しておきましょう。この数値を参考に柱の足の部分の長さを調節すれば完璧に水平な家が建ちます。
ここまで、精度がどうのこうの言っておいて何を!?って言われるかもしれませんが、これが、独立基礎のいいところでもあります。つまり、各基礎の石、もしくは束石の高さがバラバラでも柱の長さを調節すれば水平な家が建ってしまうのです。これを応用すれば斜面に家を建てるのも以外と簡単です。大切なのは正確な遣り方ですね!
まとめ
以上で独立基礎(置き石基礎)の施工の仕方は終わりです。ただの独立基礎だけではなく、自然の石を使った昔ながらの石場建てをやってみたい人の参考になれば嬉しいです。
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