アースバックハウスの形いろいろ 日本の気候にあった、おすすめのアースバックハウスはこれ!

アースバックハウス

アースバックハウス、ハースバック工法と言ってもいろいろな形があります。丸かったり、四角かったり、ドーム状だったり、屋根が付いていたり。

もちろん、デザイン重視で、好きな形を選ぶのもいいのですが、形によってメリットやデメリットがあります。どんな形のアースバックハウスを自分で作るか、その参考になれば嬉しいです。

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丸いドームのアースバックハウス

ほとんどの、アースバックハウスを知っておられる方が想像するのがこの丸いドームのような建物ではないでしょうか。この形は、土嚢を積み上げていく中でちょっとずつ円の直径を小さくしていくだけで、屋根まで出来てしまうと言う驚異的に単純な作りの建築方法です。

そのユニークな見た目、建物の中に入った時の不思議な感覚は一度体験した忘れられません。よく考えると、僕たちが住む家ってなんでもカクカクした四角のものが多いですよね。もちろん四角いスペースは、効率的にスペースを使えるし、すごくすっきりしたイメージになりやすいです。四角いスペースに、四角い家具を置くとデットスペース(死角)なくスペースを使えます。

それと比べ、丸い家では、家具を置くたびにデットスペースが出来てしまいます。あまり効率のいいスペースの使い方ではないですよね。

でも、角が一つもない部屋(壁だけでなく、天井まで丸い部屋)に入ってみると、なんだか落ち着くのです。洞窟にいるような。境界線がなくなってしまうような感覚になります。そんな丸いドームのメリットどデメリットを見ていきましょう。

メリット

簡単に作れる

建物の壁から屋根まで、一つの材料と方法で作れてしまう建物はなかなかありません。雪のカマクラとか、テントとかくらいでしょうか。そのおかげで、この家を建てるために必要な技術はかなり低いです。というか技術より体力の方が必要です。土の扱い方の知識があれば誰にでもできるはずです!

地震に強い(構造が安定している)

これは、丸い形の優位な点です。丸い形は四角い形に比べると、左右から加わる力に強いです。しかも、ドーム状の屋根にすることで、すべての壁が物理的に繋がるのでさらに強くなります。簡単に安定した構造が作れるため、初心者の方でも安心して作れます。

見た目(デザイン)が奇抜

ドーム状の丸いアースバックハウスは唯一無二の見た目です。この見た目を愛してしまうと他の工法では同じものを作ることが出来ないことに気がつくでしょう。

もっとも安く家が建つ

アースバックハウスの主要な材料は、砂と土嚢袋と有刺鉄線のみです。砂に、ステビライザーを加えたとしても知れたものです。その上、屋根まで土嚢で作ってしまえば、さらに安く仕上がります。

実際にセルフビルドなどしてみると、屋根にかかるお金の多さに驚く方もおられるでしょう。その分のお金が浮くのは魅力的です。

クリエイティブになれる

これは、僕だけかもしれません。笑

でも、いつも四角い空間にばかり住んでいると、丸い空間に居るだけでクリエイティブな気持ちになります。アトリエとかにすると最高ですね。

デメリット

雨に弱い

これは、雨の多い日本にとってドーム状のアースバックハウスを建てる上で一番の問題点となります。屋根がないため、完全な防水を実現しにくいです。もともと、このアースバック建築法が開発されているのが砂漠地帯などの乾燥した地域であることからも、乾燥した気候にもっともよく合うのがドーム状のアースバックハウスでしょう。

防水コンクリート(モルタル)で、外装を仕上げたとしても、コンクリートにはすぐにヒビ(ヘアークラックと言われる極小のヒビなど)が入ります、特に、外装のみの薄いモルタル仕上げではいづれヒビだらけになります。このヒビから少しづつ水が壁に染み込み、ジメジメした室内環境になってしまいます。ただでさえジメジメする日本でジメジメする部屋に住むのは辛いです。

対策として、ウレタン防水などの追従性の高い防水加工が可能です。ただ、こちらも、平面に施工するための技術ですので、かなりの労力が必要です。どちらにしても、完全防水はちょっと難しいですね。

あまり大きな直径の建物は作れない

不可能ではないですが。ドーム状にするために、円の直径を少しずつ小さくして土嚢袋を積み上げでいくため、円の直径が大きいとその分ドームの頂上の高さも高くなります。45度の角度でドームにしても円の半径分高くなります。実際に、作りやすい角度は45度よりさらに急になるので、その分仕上がりが高くなります。高くなればなるほど、砂を持ち上がるのが大変になりますし、危険になります。そのため、セルフビルドのドームでは、直径3メートルくらいから始めた方が無難でしょう。

市販の家具があまり置けない

これは、前述しましたが、市販の家具は四角い部屋に置くためにデザインされているので、丸い部屋に置くとデットスペースだらけになってしまいます。特に大きなクローゼットみたいなものが欲しい方は特注か、自分で作るかしかないでしょう。

庇で日光を防げない

屋根がないので庇もありません。つまり夏の日光を防ぐ方法を別で考えなければいけません。と言っても、外にすだれをかけるなどいくらでも対応は出来るでしょう。

丸い屋根付きアースバックハウス

これは、僕が建てているアースバックハウスです。ドーム状のアースバックハウスとの違いは屋根を付けただけです。アースバックハウスの良い所を残して、日本の気候に合う家を作ることの出来るハイブリットバージョンです。

実際、海外でも、雪が降る地域や雨が多い地域ではこの形のアースバックハウスが多いです。しっかりとした屋根を乗せれば、壁の構造をサポート出来ますし、雨漏れをしない工夫は簡単で、普通の家と全く同じです。(既存の知識を使えます)

メリット

雨漏れしない(ジメジメしにくい)

屋根をつけることで、その屋根を通常の工法で防水すれば雨漏りはしません。通常の工法を使えるということは、防水に大量のお金を使わなくても済みますし、比較的簡単に施工が出来るということです。

特に、雪が多い地域(僕の住んでいるところは関西ですが、豪雪地帯に設定されています。)では、屋根が受けるダメージ、また雪の重さも考えなければいけません。それに耐えることの出来るのはこの工法の良さです。

2018年2月 僕らのアースバックは2メートル弱の雪の中でした

アースバックハウスの丸い家の良さを引き継げる

丸い家の良さは、ドームじゃなくても健在です。構造も安定していますし、丸い家に住む不思議な気分を満喫できます。

大きな家を作りやすい

ドーム状のアースバックハウスではあまり大きな建物は建てにくいと書きましたが、屋根付きアースバックハウスではその心配はありません。僕のアースバックハウスは直径約6メートルですが、屋根の勾配が27度くらいなので、そこまで高い屋根ではなく素人でも比較的安全に作業ができます。

デメリット

外から見た時のインパクトがない

やはり外観は、ドーム状のアースバックハウスには勝てません。こちらはこちらで味はあるのですが、ドーム状の見た目を追い求める人を満足はさせられないでしょう。

屋根を施工する技術が必要

屋根をつけるということは、屋根を作らなければいけません。そのためにはその技術が必要になります。これが一番のネックでしょう。

確かに、素人がいきなり木組みの屋根を作るのはちょっと気が引けます。しかし、最近では便利な金具(シンプソン金具など)も手に入りますし、それほどハードルが高いとも思いません。

素人でも出来る一番単純な構造の屋根は平屋根です。平屋根であれば、木材の加工も必要最小限で可能ですし、屋根作りに自信がない方でもおすすめです。例えば、こんな組み方であればなんとなく出来そうではないでしょうか。

僕の屋根は木で組みました。人生初めての木工建物構造DIYがこの屋根でした。そんな、素人が作った屋根でも2メートル弱の雪に耐え、平成最大の台風に耐えました。今では、安心してこの屋根の下で寝られます。笑

屋根の分、費用がかかる

屋根を付けるとなると、木材を購入しなければいけませんし、下地材や屋根材も必要になります。この中でも屋根材は結構高いです。僕の直径6メートルのアースバックハウスでも屋根材だけで10万円くらいはかかります。

ポリカ波板とかでよければ安く済みますが、せっかくですし格好いい屋根材を選びたくなってしまいます。

それでも、ドーム状のアースバックハウスを完全防水にするために費用、将来の改装費を考えると屋根にした方が安上がりでしょう。

四角いアースバックハウス

四角いアースバックハウスも海外では結構建てられています。これは、アースバック工法をブロックを積み上げる工法の仲間だと割り切って、普通の家を建てる様に使うイメージです。海外では、ブロックを積み上げて家を建てる工法がメインの地域が多くあります。そこでの安価な代替え工法としてアースバック工法が選ばれています。

メリット

四角い家なので、家具などの配置がしやすい

これは、今まで見てきた2つのアースバックハウスのデメリットを克服しました。要するに、普通の間取りの家が作れるってことですね。

土地を最大限利用できる

あまり丸い土地というものはなく、四角い土地をお持ちの方が多いのではないでしょうか。そんな四角い土地に丸い家を建てると、もっと大きな家が建てられたのに!って思う方もおられるかもしれません。

そんな方でも、四角いハースバックハウスであれば納得してくれるのではないでしょうか。

デメリット

構造の強度を出しにくい

四角い家を作る時には真っ直ぐな壁を作って行かなければいけません。この真っ直ぐな壁が弱いのです。作ってみるとわかるのですが、アースバック工法で真っ直ぐな壁を作ると、手で押したら倒れる壁になります。ブロック塀が地震で倒れるのと同じです。そのため、アースバック工法で真っ直ぐな壁を設置する場合、この写真の様な補助の壁を作っていきましょう。

施工が難しい

先に述べた、強度の問題に関連しますが、正確に真っ直ぐな壁を積み上げるのは思っている以上に難しいです。丸い家を積み上げる時は、正確な丸でなくても何の問題もなかったものが、真っ直ぐになった途端に大きな問題になってしまいます。常に、水糸などを使い水平方向、垂直方向を確認しながら施工することになります。

アースバック工法の家に見えない

せっかく土嚢を積み上げて作った家なので、その特徴を残しておきたいですよね。四角い家にすると、見た目がふつうの家になってしまいます。好き嫌いはあると思いますが、わざわざ、アースバックハウスにする意味がない様な気がします。。。

結局おすすめは!?

僕のおすすめは、屋根付き丸いアースバックハウスです。どうしても、日本という雨が多く、湿度が高く、夏は暑いし冬は寒いというなんでもありな気候に建てる家はいろいろと考えることがあります。

せっかく建てた家、快適に過ごしたいですよね。ただの見た目だけでアースバック工法を選ぶのではなく、本当に過ごしやすい家にするためにはどの様に建てるべきか考えてみると、あなたバージョンの新しいアースバックハウスが建てられるのではないでしょうか。

もちろん、他の形がダメだ!と言っているわけではなく、それぞれにいいところがあるので、デメリットも理解しながらアースバック工法を楽しんでください!

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